PADDLER’S EYE 湘南の今を独自取材した特集と連載

FOOD BATON アウスリーベ 曽根愛さんのドイツ菓子
海や山、自然に恵まれた湘南には、季節折々の旬な 食材が集まる。
その食の豊かさにひかれて、この地に暮らす料理人は多い。
食のバトンがつなぐ、湘南のテーブルストーリーに耳を傾けてみよう。
今回、茶馬燕の中村秀行さんから、フードバトンを引き継ぐのは、
「aus LIEBE(アウスリーベ)」の曽根愛さんだ。
Photos : Pero Text : Paddler
小学生の時の夢を叶えるために
さまざまな形をしたかわいらしいクッキー、焼き菓子やケーキ……。ガラスケースの中に所狭しと並べられている菓子を眺めていると、ついほおが緩んでしまう。クッキーを一つ、いただく。口の中に、おいしさがふわりと広がる。過度な香料や甘さは皆無、やさしい余韻だけが後に広がる。
藤沢・片瀬山の閑静な住宅街の一画に店を構える「aus LIEBE(アウスリーベ)」は、日本では珍しいドイツ菓子の専門店だ。オーナーは曽根愛(そねめぐみ)さん。長年ドイツで修行をし、マイスターの国家資格を取得した数少ない日本人だ。
「小さいころからお菓子を作るのが好きだったんです。小学2年生の時、一番最初にお小遣いで買った本が、お菓子づくりの本。同級生からは、あのころからずっとお菓子を作っているね、と言われます(笑)」
お菓子の中でも、曽根さんが興味を惹かれたのはドイツ菓子だった。父親の仕事の関係で、幼少のころにフィリピン・マニラに滞在。そこで家族ぐるみで親しくなったのがドイツ人のファミリーだった。幼い頃に触れたドイツの文化が、曽根さんの心に大きな影響を残した。
小学校の作文に「夢・マイスターになること」と書くまでに菓子づくりにのめり込んだ曽根さん。中学生になると藤沢から東京の製菓教室まで習いに通った。卒業後にドイツに修行に渡ろうかと思ったが、家族のアドバイスで高校を卒業するまで時を延ばした。
「ドイツでは平日にお店で修行しながら、週に一度、職業訓練学校に通いました。見習いですから給料はお小遣いほど。3年後に実技と筆記の卒業試験を受けて合格して、やっと職人になれました。給料もようやく人並み程度。そこから4年くらい、いろんなお店で訓練して、マイスターになりたい職人は養成学校に通うんです。経営や法律、教育なども学びます。私はケルンで取得しました」
「ドイツは職人を育てるのがうまい」と言う曽根さん。7年にも及ぶドイツ修行は、話を聞くだけで厳しそうだが……。
「大変だったことは、そんなにないですよ。楽しかったです。あっという間でしたね。帰ってくるの嫌でした(笑)」↙︎
さまざまな形をしたかわいらしいクッキー、焼き菓子やケーキ……。ガラスケースの中に所狭しと並べられている菓子を眺めていると、ついほおが緩んでしまう。クッキーを一つ、いただく。口の中に、おいしさがふわりと広がる。過度な香料や甘さは皆無、やさしい余韻だけが後に広がる。
藤沢・片瀬山の閑静な住宅街の一画に店を構える「aus LIEBE(アウスリーベ)」は、日本では珍しいドイツ菓子の専門店だ。オーナーは曽根愛(そねめぐみ)さん。長年ドイツで修行をし、マイスターの国家資格を取得した数少ない日本人だ。
「小さいころからお菓子を作るのが好きだったんです。小学2年生の時、一番最初にお小遣いで買った本が、お菓子づくりの本。同級生からは、あのころからずっとお菓子を作っているね、と言われます(笑)」
お菓子の中でも、曽根さんが興味を惹かれたのはドイツ菓子だった。父親の仕事の関係で、幼少のころにフィリピン・マニラに滞在。そこで家族ぐるみで親しくなったのがドイツ人のファミリーだった。幼い頃に触れたドイツの文化が、曽根さんの心に大きな影響を残した。
小学校の作文に「夢・マイスターになること」と書くまでに菓子づくりにのめり込んだ曽根さん。中学生になると藤沢から東京の製菓教室まで習いに通った。卒業後にドイツに修行に渡ろうかと思ったが、家族のアドバイスで高校を卒業するまで時を延ばした。
「ドイツでは平日にお店で修行しながら、週に一度、職業訓練学校に通いました。見習いですから給料はお小遣いほど。3年後に実技と筆記の卒業試験を受けて合格して、やっと職人になれました。給料もようやく人並み程度。そこから4年くらい、いろんなお店で訓練して、マイスターになりたい職人は養成学校に通うんです。経営や法律、教育なども学びます。私はケルンで取得しました」
「ドイツは職人を育てるのがうまい」と言う曽根さん。7年にも及ぶドイツ修行は、話を聞くだけで厳しそうだが……。
「大変だったことは、そんなにないですよ。楽しかったです。あっという間でしたね。帰ってくるの嫌でした(笑)」↙︎

オーナーの曽根愛さん。小学生からの夢を叶えて、15年前にドイツ菓子の専門店「aus LIEBE(アウスリーベ)」を片瀬山にオープンした

「ドイツ人はお茶の時間を大切にしているので、種類も豊富だと思います」。クッキーの詰め合わせ1,200円から

曽根さんがドイツで取得したマイスターの証書。今ではマイスター資格も狭き門となり人数が減少。そのために、取得のための条件も緩和されている
お菓子愛あふれる店を
帰国後、平塚の菓子店で経験を積み、15年前に自分の店をオープン。自らのファーストネーム「愛」、ドイツ語「LIEBE」にちなんで、「aus LIEBE」「愛から」と名付けた。
それほどまでに、ドイツ菓子に惹かれる理由は?
「フランスの菓子も奇麗で華やかですが、意外ですけどドイツの方がクッキーは凝っているんです」
今も定期的にドイツに足を運んでいるが、今回も旅先でクッキーを購入したところ、28種類も詰め合わされていたと言う。
「全部種類が違うんです。どれもとても繊細で。そういうマニアックなところがおもしろいですね(笑)」
クッキーの生地は一つ一つ手絞り。実に手のかかる作業だが、作業台に向き合う曽根さんの顔には笑みが浮かぶ。今や本場ドイツでもマイスターの数は減り、個人が経営する伝統的な菓子店は減少の一歩をたどっている。
だからこそ、曽根さんは遠く離れた日本でも、真摯にドイツ菓子に向き合っているのではなかろうか。
「やりがいですか……。やはりお客様に喜ばれることですね。わざわざ『おいしかったです』とメールをいただくことも。以前クリスマスのシーズンに、シュトーレンというドイツ菓子を湘南の方からオーダーがあって名古屋の方にお送りました。そしたら、その方から大阪に送りたいと、今度は大阪の方が九州に送りたいと、どんどん南下していくことがあって。うれしかったですね」
「アウスリーベ」の店内に漂う甘くほのかに香ばしい空気は、どこか人を幸せにさせてくれる。それはひとえに、曽根さんのドイツ菓子への愛の賜物だろう。
帰国後、平塚の菓子店で経験を積み、15年前に自分の店をオープン。自らのファーストネーム「愛」、ドイツ語「LIEBE」にちなんで、「aus LIEBE」「愛から」と名付けた。
それほどまでに、ドイツ菓子に惹かれる理由は?
「フランスの菓子も奇麗で華やかですが、意外ですけどドイツの方がクッキーは凝っているんです」
今も定期的にドイツに足を運んでいるが、今回も旅先でクッキーを購入したところ、28種類も詰め合わされていたと言う。
「全部種類が違うんです。どれもとても繊細で。そういうマニアックなところがおもしろいですね(笑)」
クッキーの生地は一つ一つ手絞り。実に手のかかる作業だが、作業台に向き合う曽根さんの顔には笑みが浮かぶ。今や本場ドイツでもマイスターの数は減り、個人が経営する伝統的な菓子店は減少の一歩をたどっている。
だからこそ、曽根さんは遠く離れた日本でも、真摯にドイツ菓子に向き合っているのではなかろうか。
「やりがいですか……。やはりお客様に喜ばれることですね。わざわざ『おいしかったです』とメールをいただくことも。以前クリスマスのシーズンに、シュトーレンというドイツ菓子を湘南の方からオーダーがあって名古屋の方にお送りました。そしたら、その方から大阪に送りたいと、今度は大阪の方が九州に送りたいと、どんどん南下していくことがあって。うれしかったですね」
「アウスリーベ」の店内に漂う甘くほのかに香ばしい空気は、どこか人を幸せにさせてくれる。それはひとえに、曽根さんのドイツ菓子への愛の賜物だろう。

ドイツ菓子であふれる店内。片瀬山の住宅地という立地ながら、リピーターが足しげく通う

菓子をつくる曽根さんは実に幸せそうだ。そんなポジティブなエネルギーが菓子にも宿る

「自分で作るのが好きなので、お店の規模は大きくないんですけど、種類はもうちょっと増やしたいですね」
WHERE THE NEXT?
曽根さんオススメの一軒は?
The Market SE1 (藤沢)
ザ・マーケット・エスイーワン
「とても美味しいジェラート屋さんです。クリスマスシーズンには、一緒にケーキを作ったりもします。ジェラートも素晴らしいですが、オーナーもとてもおもしろい方ですよ」(曽根)
曽根さんオススメの一軒は?
The Market SE1 (藤沢)
ザ・マーケット・エスイーワン
「とても美味しいジェラート屋さんです。クリスマスシーズンには、一緒にケーキを作ったりもします。ジェラートも素晴らしいですが、オーナーもとてもおもしろい方ですよ」(曽根)

aus LIEBE(アウスリーベ)