THE PADDLER 湘南で自分らしく人生を切り拓いてゆく男たちを紹介
THE PADDLER | 060
Mr. Nobuyoshi Kanou
「CALIBIKES」オーナー
加納信義さん | 逗子
INPUT
「自分が信じたかっこよさみたいのがあって、そこに対しては諦めないというか、逃げないんです」
「鎌倉でかっこいいヴィンテージのマウンテンバイクを組む人がいる」という話を聞いてから、その噂の人に会う機会はすぐにやってきた。
ある朝、鎌倉・稲村ヶ崎の駐車場で友人に紹介されて偶然に会うことができたのがビンテージバイク専門店『CALI BIKES(カリバイクス)』を営む加納信義さんだったのだ。初対面だったが、加納さんの人柄に助けられ、すぐに打ち解けることができ、後日ショールームを訪ねることに。加納さんが「秘密基地」と呼ぶ稲村ヶ崎にあるショールームには、パーツの隅々まで美しく磨き上げられたヴィンテージのマウンテンバイクが並んでいた。
「ヴィンテージバイクはその1台1台にヒストリーがあるんです。それも大きな魅力ですし、フレームやパーツ構成とか、魅力はキリないですよね。そして、アメリカで価値のあるヴィンテージのマウンテンバイクとかBMXって、メイド・イン・ジャパンのものが多くて、それも嬉しい。そういうのも全て含めて好きなんです」↙︎
ある朝、鎌倉・稲村ヶ崎の駐車場で友人に紹介されて偶然に会うことができたのがビンテージバイク専門店『CALI BIKES(カリバイクス)』を営む加納信義さんだったのだ。初対面だったが、加納さんの人柄に助けられ、すぐに打ち解けることができ、後日ショールームを訪ねることに。加納さんが「秘密基地」と呼ぶ稲村ヶ崎にあるショールームには、パーツの隅々まで美しく磨き上げられたヴィンテージのマウンテンバイクが並んでいた。
「ヴィンテージバイクはその1台1台にヒストリーがあるんです。それも大きな魅力ですし、フレームやパーツ構成とか、魅力はキリないですよね。そして、アメリカで価値のあるヴィンテージのマウンテンバイクとかBMXって、メイド・イン・ジャパンのものが多くて、それも嬉しい。そういうのも全て含めて好きなんです」↙︎
『CALI BIKES』がメインで取り扱うのは1990年代までのアメリカのマウンテンバイク。特にカリフォルニアのものにこだわって仕入れ、それを一度全てバラし、時間をかけてじっくりとレストアし、最高の状態にしていく。カリフォルニアのものにこだわっているのには訳がある。
「“カリフォルニア・コンディション”っていう言葉があるんですけど、カリフォルニア特有の雨が少なく乾いた気候で湿度が低いおかげで、サビの質が違うから、古いバイクや車の状態がとても良いんですよね」
ヴィンテージバイクとの出会いはカリフォルニア。当時暮らしていたサンディエゴのオーシャンビーチで自転車を探している時にヴィンテージのマウンテンバイクに出会ったことで深い魅力と価値に気づいたそう。
サンディエゴには2014年に移住。それまでは仙台に暮らし建設業を営んでいたが、将来に英語の必要性を感じたのがきっかけで、自身の語学勉強を理由に、日本の会社を経営しつつ家族4人で移住したのだ。↙︎
「“カリフォルニア・コンディション”っていう言葉があるんですけど、カリフォルニア特有の雨が少なく乾いた気候で湿度が低いおかげで、サビの質が違うから、古いバイクや車の状態がとても良いんですよね」
ヴィンテージバイクとの出会いはカリフォルニア。当時暮らしていたサンディエゴのオーシャンビーチで自転車を探している時にヴィンテージのマウンテンバイクに出会ったことで深い魅力と価値に気づいたそう。
サンディエゴには2014年に移住。それまでは仙台に暮らし建設業を営んでいたが、将来に英語の必要性を感じたのがきっかけで、自身の語学勉強を理由に、日本の会社を経営しつつ家族4人で移住したのだ。↙︎
「はじめは大変でしたよ。家族を呼ぶ前はひとりぼっちだったし、車を買うのにも片言の英語で車屋を攻め立てて(笑)。電気を契約するのなんて、何を言ってるのか全くわからなくて3日かかりましたからね。でも、いつも『いけるだろ』という気持ちで動いていました。これはずっとやってきたスケートボードやスノーボードのおかげなんです。スケートボードをやってなかったら、こういう『いけるっしょ』のスタンスにはなってなかったと思うんですよね」
笑いながら話す加納さんだが、その行動力とエネルギーの強さに驚く。サンディエゴでの生活に慣れてくると現地で別の会社も立ち上げ、その一環でヴィンテージバイクの輸入も始めることになる。
「海外に暮らしながら会社を経営するというシステムを5年でつくって出ようと思っていたんですけどうまくいかなくて、でも諦めないでやったら7年で実現しました。昔から何をやるのでも『こうなりたい』というイメージがあって、そこに対しては本気ですね。みんながかっこいいと思うかはわからないですけど、自分が信じたかっこよさみたいのがあって、そこに対しては諦めないというか、逃げないんです。逃げないで、ていねいに、嘘をつかなければ、絶対なんでもできますよ」↙︎
笑いながら話す加納さんだが、その行動力とエネルギーの強さに驚く。サンディエゴでの生活に慣れてくると現地で別の会社も立ち上げ、その一環でヴィンテージバイクの輸入も始めることになる。
「海外に暮らしながら会社を経営するというシステムを5年でつくって出ようと思っていたんですけどうまくいかなくて、でも諦めないでやったら7年で実現しました。昔から何をやるのでも『こうなりたい』というイメージがあって、そこに対しては本気ですね。みんながかっこいいと思うかはわからないですけど、自分が信じたかっこよさみたいのがあって、そこに対しては諦めないというか、逃げないんです。逃げないで、ていねいに、嘘をつかなければ、絶対なんでもできますよ」↙︎
OUTPUT
「ちゃんとした本物を提案していきたいんです」
サンディエゴで2年を過ごし、日本へ帰国することに決めた加納さんが移住先に選んだのは地元の仙台ではなく逗子だった。
「アメリカにいるうちに、次に暮らすなら湘南にしようと思っていました。そんな時に逗子のことを思い出したんです。22、3歳の時に行ったことがあって、いつか住んでみたいなって思っていたんですよね。で、じゃあ、そこだって」
逗子に暮らしはじめてからも会社経営の傍ら、自宅の一室を使ってヴィンテージバイクを組み続けてきた。
「サンディエゴで始めた時はアパートの1畳分くらいのベランダスペースでしたからね。それが逗子では6畳の部屋に。1畳、6畳と来て、今ここです。広くなりました(笑)」↙︎
「アメリカにいるうちに、次に暮らすなら湘南にしようと思っていました。そんな時に逗子のことを思い出したんです。22、3歳の時に行ったことがあって、いつか住んでみたいなって思っていたんですよね。で、じゃあ、そこだって」
逗子に暮らしはじめてからも会社経営の傍ら、自宅の一室を使ってヴィンテージバイクを組み続けてきた。
「サンディエゴで始めた時はアパートの1畳分くらいのベランダスペースでしたからね。それが逗子では6畳の部屋に。1畳、6畳と来て、今ここです。広くなりました(笑)」↙︎
稲村ヶ崎にあるショールームには、美しく仕上がったバイクはもちろん、定期的にカリフォルニアからコンテナで届き、レストアを待つヴィンテージバイクがストックされている。このスペースで、加納さんは1台1台とていねいに向き合いながら過ごしている。
「組み上げるのにはなんだかんだ2週間とかかかります。それでも納得できなかったら延長戦です。でも、納得したものしか出したくないんですよね。正直にやるというのが自転車に現れるんです」
そう嬉しそうに話す加納さんに、やはり自転車を組む作業をしている時が一番楽しいのかと訪ねてみると、意外な答えが返ってきた。↙︎
「組み上げるのにはなんだかんだ2週間とかかかります。それでも納得できなかったら延長戦です。でも、納得したものしか出したくないんですよね。正直にやるというのが自転車に現れるんです」
そう嬉しそうに話す加納さんに、やはり自転車を組む作業をしている時が一番楽しいのかと訪ねてみると、意外な答えが返ってきた。↙︎
「そうだったんですけど、最近サーフィンが登場しちゃって(笑)。昨年から始めたんですけど、なんで今までやってこなかったのかと後悔するほど楽しいですね。今、伸び盛りですよ(笑)」
サーフィンとの出会いで自転車を見る目にも変化が訪れた。ビーチクルーザーも手がけるようになったのだ。ショールームを訪ねた日は、ちょうど地元の女性サーファーのために60年代のビーチクルーザーを仕上げている最中だった。サーフボード用ラックの取り付け位置を思案しているところだという。
「自転車の新しい展開を考えるようになったのもサーフィンのおかげです。このエリアではビーチクルーザーを多く見かけますが、こんな“本物”に乗っていたらかっこいいなと思うんです。かっこいいカスタムボードに乗っていたら、それを積んでる自転車も“本物”のほうがよくないですか? そんな、ちゃんとした本物を提案していきたいんです」↙︎
サーフィンとの出会いで自転車を見る目にも変化が訪れた。ビーチクルーザーも手がけるようになったのだ。ショールームを訪ねた日は、ちょうど地元の女性サーファーのために60年代のビーチクルーザーを仕上げている最中だった。サーフボード用ラックの取り付け位置を思案しているところだという。
「自転車の新しい展開を考えるようになったのもサーフィンのおかげです。このエリアではビーチクルーザーを多く見かけますが、こんな“本物”に乗っていたらかっこいいなと思うんです。かっこいいカスタムボードに乗っていたら、それを積んでる自転車も“本物”のほうがよくないですか? そんな、ちゃんとした本物を提案していきたいんです」↙︎
なるほど、ショウールームにある自転車たちを表す言葉は“本物”につきるのだと納得。ここには本物しかないのだ。サンディエゴを経て湘南に暮らし、サーフィンを始めたことで訪れた変化を加納さん自身も楽しんでいるようだ。
「この土地の環境も好きですけど、何よりの魅力は人じゃないですかね? 面白い人たちが多いのが湘南なんだと思いますよ。今までいろんな土地に住んでいますけど、ここが一番。最高ですね。日本の中でこれ以上楽しいところはないんじゃないですかね」
「この土地の環境も好きですけど、何よりの魅力は人じゃないですかね? 面白い人たちが多いのが湘南なんだと思いますよ。今までいろんな土地に住んでいますけど、ここが一番。最高ですね。日本の中でこれ以上楽しいところはないんじゃないですかね」