GIRLFRIENDS 湘南で輝く女性たち
GIRLFRIENDS #026 Ayano Kudo セーラー | 逗子
近い将来、ヨットがもっと身近な存在となり湘南ローカルにとって日常に楽しめるものとなっていくのでは? そんな予感をさせる工藤彩乃さんとの出会いだった。
「葉山」—— 海と山がグッと寄り添う穏やかなこの街は、言わずと知れた日本ヨットの発祥地。相模湾を望む「葉山マリーナ」は、工藤さんにとって、ヨット活動の本拠地であり、自宅からすぐにたどり着ける場所だ。171cmという長身、スレンダーなスタイルの21歳は、日本大学の学生でもあり、そして世界の頂点を目指すセーラーでも。シンプルだけに美しいシルエットが際立つワンピースがとてもよく似合う。
小学生の時にキャンプで初めてのった体験ヨット。その後、高校生から本格的にスタートさせたヨットだったが、その実力はみるみるうちに開花した。日本大学のヨット部1年目で470級*(注)にデビューするや否や、全日本女子大会で優勝し、同年「日本セーリング連盟」470級ヨット部門の強化選手に選出される。翌年、ギリシャの世界選手権に日本代表として出場。そして2018年からは葉山マリーナを本拠地とする「YAMAHA Sailing Team 'Revs'」に参加、と勢いよくキャリアを昇華させている。
とはいえ、工藤さんにストイックな“体育会系女子”という言葉はどうも似合わない。肩肘張らない大らかさと、チャーミングさにグッと親近感を覚えるのだ。オープンマインドで会話が楽しく、つい時が経つのを忘れてしまう。
「私って『よく “いい子だね“って周りから言われるんです』と平気に自慢しちゃうようなキャラターなんです(笑)」。
モノゴトを自然体で受け止められ、素直に自分のものにできる人。それが彼女の魅力であり強さなのだ。↙︎
*(注) 470級:全長470cmの「ディンギー」という2人乗りの小型のヨットを操るセーリング競技。メインセールと舵取りをする「スキッパー」と、船の傾きとジブセールの操作をする「クルー」のコンビからなる。
「葉山」—— 海と山がグッと寄り添う穏やかなこの街は、言わずと知れた日本ヨットの発祥地。相模湾を望む「葉山マリーナ」は、工藤さんにとって、ヨット活動の本拠地であり、自宅からすぐにたどり着ける場所だ。171cmという長身、スレンダーなスタイルの21歳は、日本大学の学生でもあり、そして世界の頂点を目指すセーラーでも。シンプルだけに美しいシルエットが際立つワンピースがとてもよく似合う。
小学生の時にキャンプで初めてのった体験ヨット。その後、高校生から本格的にスタートさせたヨットだったが、その実力はみるみるうちに開花した。日本大学のヨット部1年目で470級*(注)にデビューするや否や、全日本女子大会で優勝し、同年「日本セーリング連盟」470級ヨット部門の強化選手に選出される。翌年、ギリシャの世界選手権に日本代表として出場。そして2018年からは葉山マリーナを本拠地とする「YAMAHA Sailing Team 'Revs'」に参加、と勢いよくキャリアを昇華させている。
とはいえ、工藤さんにストイックな“体育会系女子”という言葉はどうも似合わない。肩肘張らない大らかさと、チャーミングさにグッと親近感を覚えるのだ。オープンマインドで会話が楽しく、つい時が経つのを忘れてしまう。
「私って『よく “いい子だね“って周りから言われるんです』と平気に自慢しちゃうようなキャラターなんです(笑)」。
モノゴトを自然体で受け止められ、素直に自分のものにできる人。それが彼女の魅力であり強さなのだ。↙︎
*(注) 470級:全長470cmの「ディンギー」という2人乗りの小型のヨットを操るセーリング競技。メインセールと舵取りをする「スキッパー」と、船の傾きとジブセールの操作をする「クルー」のコンビからなる。
プロセーラーと書道家と
そんな工藤さんには、ヨットのほかに幼い頃から熱中してきたものがある。「書道」だ。高校時代には、すでに日本で権威ある全国書道大会「高野山競書大会」で賞を獲得するまでの高レベルに。
「小学生の頃、姿勢を良くしたいと始めましたが、今でも『書道の先生になる』という夢を持ち続けているほど好きなんです。ヨットも生涯スポーツ、書道も死ぬ間際までたしなむだろうと思っていて、両立してゆくつもりです」
そこまで「書道」にハマった理由にヨットの存在も大きくあったという。
「ヨットは、視野が広ければ広いほどいいんです。大自然に身を投じ、さまざまへ意識を巡らせ、あらゆる情報をキャッチすることが必要なんです。一方書道は、半紙という限られた空間でスペースの使い方や筆の運びなどだけに集中する。周囲はまったくの「無」。すべてをシャットアウトし、半紙と筆と自分とだけに向きあうんです。そのギャップがおもしろくて。それが私にとっていいバランスとなり、精神安定剤になっているんです」
海上での大胆かつしなやかな工藤さんの動きは、そんな対局する2つの世界の化学反応の結果だったとは。では彼女をヨットに惹き付け続けるものはなんなのだろう?
「最初は、沖から見る美しい景色や普段の生活では体験できない楽しさとスリルにヨットの魅力を感じていました。でも今は、レースに魅了されています。レースとなると常に何が起こるか予測しなきゃいけないんです。そのきっかけは雲や風、地球や天気図、気温だったり。さまざまな事象の中で自分の経験を思い出し、これからを予測する。それがすごく楽しいんです」
かつて人は海を介し広い世界と自然を、自らのアイデンティティを発見してきた生き物だった。ヨットを通じ自然に自らを調和させることで、その壮大な可能性を享受し楽しむ工藤さん。彼女を介してヨットへの好奇心が掻き立てられていく。
「ヨットにのめり込んではいますが、ほかにも色々なことに挑戦したいんです。まだまだ多くの世界が自分を待っていると感じています。例えば、身近なサーフィンやウィンドーサーフィンやもやってみたいし、島国の日本にとって海がいかに身近な存在で、楽しめるものかも発信してゆきたい。自分で自分を縛らずにいたいんです」
常に柔軟な開拓者。新風を逃さずにキャッチし、さらなる前進のために自分のものにする工藤さん。彼女に湘南のヨットカルチャーの夢を見る。
「小学生の頃、姿勢を良くしたいと始めましたが、今でも『書道の先生になる』という夢を持ち続けているほど好きなんです。ヨットも生涯スポーツ、書道も死ぬ間際までたしなむだろうと思っていて、両立してゆくつもりです」
そこまで「書道」にハマった理由にヨットの存在も大きくあったという。
「ヨットは、視野が広ければ広いほどいいんです。大自然に身を投じ、さまざまへ意識を巡らせ、あらゆる情報をキャッチすることが必要なんです。一方書道は、半紙という限られた空間でスペースの使い方や筆の運びなどだけに集中する。周囲はまったくの「無」。すべてをシャットアウトし、半紙と筆と自分とだけに向きあうんです。そのギャップがおもしろくて。それが私にとっていいバランスとなり、精神安定剤になっているんです」
海上での大胆かつしなやかな工藤さんの動きは、そんな対局する2つの世界の化学反応の結果だったとは。では彼女をヨットに惹き付け続けるものはなんなのだろう?
「最初は、沖から見る美しい景色や普段の生活では体験できない楽しさとスリルにヨットの魅力を感じていました。でも今は、レースに魅了されています。レースとなると常に何が起こるか予測しなきゃいけないんです。そのきっかけは雲や風、地球や天気図、気温だったり。さまざまな事象の中で自分の経験を思い出し、これからを予測する。それがすごく楽しいんです」
かつて人は海を介し広い世界と自然を、自らのアイデンティティを発見してきた生き物だった。ヨットを通じ自然に自らを調和させることで、その壮大な可能性を享受し楽しむ工藤さん。彼女を介してヨットへの好奇心が掻き立てられていく。
「ヨットにのめり込んではいますが、ほかにも色々なことに挑戦したいんです。まだまだ多くの世界が自分を待っていると感じています。例えば、身近なサーフィンやウィンドーサーフィンやもやってみたいし、島国の日本にとって海がいかに身近な存在で、楽しめるものかも発信してゆきたい。自分で自分を縛らずにいたいんです」
常に柔軟な開拓者。新風を逃さずにキャッチし、さらなる前進のために自分のものにする工藤さん。彼女に湘南のヨットカルチャーの夢を見る。
Q1. あなたにとって湘南とは?
戦いの場所。今までの自分を成長させてくれた湘南の海は、ライバルとはもちろんのこと自分との戦いの場所でもありました。
Q2. あなたが住む街の大好きな場所は? なぜ?
「葉山マリーナ」
世界中のいろんな海でレースをしても、やっぱり一番ホッとする本拠地です。富士山と江の島のとても素敵な景色があります。とくに夕日がきれい!
Q3. あなたにとってのThe Paddler(魅力的な男性)とは?
知的ではっきりしている人
Q4.あなたの湘南でのこれからは?
湘南ならではなお洒落なカフェやレストランなどを『PADDLER』を参考に探索したいです。セーラーとしては、補欠選手ではありますが2020年東京オリンピックの470級ヨット競技における日本チームの一員としての責任をしっかりと全うしたいです。
戦いの場所。今までの自分を成長させてくれた湘南の海は、ライバルとはもちろんのこと自分との戦いの場所でもありました。
Q2. あなたが住む街の大好きな場所は? なぜ?
「葉山マリーナ」
世界中のいろんな海でレースをしても、やっぱり一番ホッとする本拠地です。富士山と江の島のとても素敵な景色があります。とくに夕日がきれい!
Q3. あなたにとってのThe Paddler(魅力的な男性)とは?
知的ではっきりしている人
Q4.あなたの湘南でのこれからは?
湘南ならではなお洒落なカフェやレストランなどを『PADDLER』を参考に探索したいです。セーラーとしては、補欠選手ではありますが2020年東京オリンピックの470級ヨット競技における日本チームの一員としての責任をしっかりと全うしたいです。
PROFILE
工藤彩乃
セーラー|YAMAHA Sailing Team 'Revs' 所属
兵庫県出身、逗子在住。日本大学スポーツ科学部在籍、大学ヨット部所属。兵庫県立芦屋高校ヨット部にてヨット歴をスタート。大学にて470級デビューし、同年2016年に全日本女子で優勝、「日本セーリング連盟」470級ヨット部門の強化選手に選ばれる。2018年3月より「葉山マリーナ」に本拠地を構える「YAMAHA Sailing Team 'Revs'(ヤマハセーリングチーム 'レヴズ')」に参加。女子チームのスキッパー、宇田川真乃選手とコンビを組むクルーとして活躍。2020年に江の島で開催される「東京オリンピック」のセーリング部門では、470級ヨット競技の補欠選手に選ばれている。
*撮影協力: 「葉山マリーナ」