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GUIDE SPOT spice tree 逗子 | カレー店

Photos: Nobuo Yano  Text: Akiko Kajikawa

ローカルだけでなく日本中からファンを集めるカレー店が逗子にある。路地裏の細道に行列待ちが絶えない「spice tree」だ。

店主の飯村政幸さんは、大の人好きで “人が集まる空間で自分の好きな何かをつくりたい” とカレーの道に入った。そして、東京都内のさまざまなカレー店での修業を経、自分の店を持つことを考えるようになったが、都内では忙しいサラリーマンあってのランチタイムの営業がメイン。どうも自分のやりたいこととしっくりこない。そんな中、縁があって移住した逗子の「CINEMA AMIGO」などで間借りのカレー店を商ううちに、“ここでならやりたいことができるかもしれない!” と、満を期して自らの店をオープンさせた。

飯村さんのカレーの原点は、大好きだったおばあちゃんの作る “おうちのカレー”。ナンではなくお米で食べるカレーだ。米好きでもある飯村さんから生まれるのは、お米がおいしく食べられるカレーなのだ。

日替わりのカレーには、マイルドな「バターチキン」がほぼ定番で、ほかに “マトン挽肉とネパール山椒” 、“バナナ海老と樹豆” など、ユニークな中辛カレーが3種ほど並ぶ。日本で “インドカレー”と呼ばれるものは、南北のインドやネパール料理の香辛料で具材を煮込んだものの総称だ。だが、インド各地やネパールの要素がミックスされ、そこに飯村さんの感性がプラスされたこれらのカレーは、どこのカレーとも分類できないスペシャルなもの。プレートにはカレーとご飯のほか、豆のカレー、エスニックな野菜のピクルスや炒め物が添えられ、それらを混ぜ合わせ、より深みある味わいになるよう考えられている。

「1皿に2種類のカレーをお出しすることもできますが、うちはご飯の量も多いので、お腹の具合を教えていただければ全体的な量を調整しますよ」と語る飯村さん。実はそこにも、彼の深い想いがある。「spice tree」が昼のみの営業であるのも、営業日が少ないのも、1日の提供量が限られているのにも訳がある。丁寧な仕込みに多くの時間を費やしているためなのだ。さらに、注文後にお客さんの特質に合わせ、味付けの調整を一皿一皿するという徹底ぶりなので、料理を出すのにも時間を要する。そんな想いを込めたカレーだからこそ、ひとりでも多くの人に楽しんでもらいたい、と願い、できるだけ残さず、無理なくおいしいと感じてもらえる適量をもてなしたいと考えているのだ。

「最近、弟子的なメンバーも加わり、今後は営業日を増やしていければ、と思っているんです」。さらに多くの人が、飯村さんのおいしさと真心を味わえるようになる日も近い。

DATA

spice tree

神奈川県逗子市逗子7-6-25
TEL. 046-845-9300
OPEN. 12:00〜15:00(L.O. 14:30)
CLOSE. 月・火・水

※カレーが提供できる場合のみ、日曜日の夜も営業。ツイッターで告知。

https://twitter.com/spicetree0316

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「店主まっくんが作るカレーは最高においしい。銀座の有名なカレー店で彼が働いていた頃からの友人です。彼は自らの試作品を友人に振る舞うカレー会をよく催していました。僕らの『CINAMA AMIGO』では間借りのカレー屋をやってくれ、その後、逗子に開店した彼の店は行列ができるまでに 」

志津野 雷さん