CITY GUIDE THE PADDLERが紹介するとっておきのスポット
GUIDE SPOT KAMOME KITCHEN 藤沢・片瀬海岸 | 飲食店
江の島に向けて流れる “境川” 。そのリバーサイドに佇む「KAMOME KITCHEN(カモメキッチン)」は、生粋の片瀬っ子である店主、岩田和美さんの温もりがにじむ食堂だ。
江の島の夏を飾る “海の家” の老舗、「かもめ」を稼業にする家に生まれ、物心ついた時には「かもめ」のキッチンで料理を手伝っていたという和美さん。 「 “おいしいごはん” とは? を考えた時、それは家で手作りする素朴で温かい “お家ご飯” だった」と、この店を2012年にオープンした。
ゆったりと流れる川の景色を一望する一般住居のダイニングキッチン。その間取りをそのまま食堂に利用した店は、友人宅に訪れたかのようなアットホームな佇まいだ。ここでの定番は「しらす丼」4種(900~1,300円)と、チキンカツや生姜焼きといった肉類を取り入れた「日替わりランチ」(900円)。和美さん率いる地元の主婦たちによる、懐かしく優しい母の味だ。
観光客の舌をうならせるのは、おいしい食べ方を知り尽くした地元っ子ならでわのしらすメニュー。同じしらすでも網元で味が違うことを知る和美さんがこだわるのは、ご近所の名網元「浜野水産」のしらすだ。その鮮度の高い生しらす、たっぷりの湯と良塩を用いて贅沢にふっくらと茹でた釜揚げしらすの質を知り、決して浮気はしない。また、水揚げした側からしらすを濃厚なソースに漬けてゆく “沖漬けしらす”を使った「沖漬け丼」もここでの人気メニュー。熱々の雑穀米に平飼いの国産鷄の生卵と大根おろし、生姜を混ぜていただく絶品だ。
地元の常連たちのお目当てといえは、もっぱら日替わりランチ。客の好みや習慣を心得、お米の硬さや食材の取り入れ方などを、柔軟に対応してくれてしまう心遣いに誰もが虜なのだ。
「お客さんとの近い距離、ホッとできる場所であることが一番大切。数をこなして儲ける事だけが幸せなわけではないわ。いずれは薬膳をもっと取り入れて、みんなの健康も気づかえるようになりたいの。のんびりとね」
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「江の島の海の家『かもめ&ボサノバ』も営むご飯屋さん。僕のところのしらすを使った『しらす丼』や『日替わりランチ』など、家庭的な料理とアットホームな環境は、まさに “おうちご飯の店” 。僕は毎日ここで昼ごはんを食べます。店主、和美さんの温かさがにじむ店」
浜野展行さん