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GUIDE SPOT 新江ノ島水族館 藤沢 | 水族館

  Text: Paddler

左手に江の島、右手に富士山の眺望、目の前には波に遊ぶサーファーたち。相模湾に面した絶好のロケーションにある「新江ノ島水族館」は、湘南の個性をシンボリカルに映し出す場所だ。

国道134号線でのドライブ中に、この場所の風光明媚な景観に心を奪われた老舗映画会社「日活」の元社長・堀久作が、湘南に相応しい施設として開館させたのがこの水族館の前身である「江の島水族館」。1954年に日本における近代的水族館の第1号として誕生し、日本で初めてイルカの持つ能力をショ-という形で紹介、館内飼育下3世のバンドウイルカ繁殖にも日本初で成功した。その海洋生物研究への熱心な精神とエンターテイメント性は、2004年にリニューアルオープンした「新江ノ島水族館」にもしっかりと息づいている。

約100種2万匹の相模湾でみられる生物だけを展示した巨大な「相模湾大水槽」では、天敵との共生で実現できる日本初となったイワシの大群展示が行われている。約8000匹がうねり泳ぐ迫力はいつ観ても圧巻だ。また、湘南名物でもあるシラス(カタクチイワシやマイワシの稚魚)の展示も世界初で成功。普段は目にできない生きたシラスたちを観察することができる。さらに湘南の絶景を望む屋外では、世界で唯一の館内生まれのイルカ4世、5世の姿も。

生物多様性と海の環境を見事に演出し、楽しい体験を通してそれを学ぶ “エデュテインメント”(*注) を目指した水族館は、遠方からの多くの訪問客をも惹きつけ止まない。そんなスペシャルな施設であると同時に、湘南のローカルたちにとっては世代を超えて日常に根付いた親近感のある存在でも。たった2回の入場料の金額で入手できる“年間パス”を持つ子どもやファミリーがどれほど湘南にいることだろう。このパスには、海の環境へ、多様な生物との共存意識へ、人々が日常的に心を寄せられるように願う「新江ノ島水族館」の思い込められているに違いない。

*注:エデュテインメント>> エデュケーション(Education/教育)とエンターテインメント(Entertainment/娯楽)を組み合わせた合成語

DATA

新江ノ島水族館

神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1
TEL.0466-29-9960
OPEN. 営業時間カレンダー✔︎
CLOSE. 無休(臨時休館日あり)

*安全点検、気象状況などによる営業時間の変更および臨時休館日あり。
詳細は公式Webサイトで。

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「とにかく生き物として魚が好きで、暇さえあれば息子と娘と出かけます。妻からは毎年、誕生日に年間パスをもらい、家族全員が年パス所持者です! 一番人気の大水槽も良いですが、根魚(カサゴやメバル)の居る小さな水槽なども長時間観察します」海瀬亮さん

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