晴天の日には、富士山や江の島が姿を見せる風光明媚な景色で知られる逗子海岸。遠浅で穏やかな海が、細砂の岸に静かに波を届け続ける。夏の海水浴だけでなく、砂浜でのゆったりした散歩、SUPやカヤックといったマリンスポーツの楽しみを、四季を通じ与えてくれるビーチだ。

春のゴールデンウィークには、海岸は映画館と化する。逗子拠点の「CINEMA CARAVAN」がプロデュースする「逗子海岸映画祭」で、国内外の優れた映画を潮騒と星空をバックに鑑賞することができる。夏になれば、ビーチは賑やかな海水浴場に。40もの「海の家」が連ねる約900mにおよぶ砂浜では、海の家以外での飲酒や大音量で音楽を流すことが禁止されている。そんな環境フレンドリーなスタイルが、ファミリーやリラックスして過ごしたい大人たちに親しまれている。そして年の瀬の11月には、 馬を馳せながら矢を射る武田流・流鏑馬の舞台となる。鎌倉時代に遡る儀式に、逗子の深い歴史を偲ぶだろう。

かつての漁師たちの拠点から、黒松の大樹が繁った海岸線に要人たちの別荘が並んだ時代を経、今に至る逗子海岸。過度に商業化されていないローカルな雰囲気を今に残すどこかホッとさせてくれる美しいビーチだ。