CITY GUIDE THE PADDLERが紹介するとっておきのスポット
GUIDE SPOT オイチイチ 鎌倉 | 食堂・バー
鎌倉・大町の交差点近くに、ローカルを中心に人々を惹きつけてやまない飲食店がある。この「オイチイチ」を営む旅好きの夫婦、瀬木 暁さん&いくよさんは、時に1カ月も店を閉めて旅に出てしまうことも珍しくない。それでも「今度はどこに行ってるの?」と、客はその帰りを心待ちにしている。
料理を作り、昼間店に立つのは、妻のいくよさん。週替わりのランチは、2種のメインから1品をチョイスし、惣菜、玄米、みそ汁でいただく。ランチタイムが終わると、昼夜の仕込みをし、バータイム担当の暁さんにバトンタッチだ。
“チュンさん”の呼び名で親しまれる暁さんは、「逗子海岸映画祭」のプロデュースでも知られる移動式映画館のプロジェクト「CINEMA CARAVAN」のメンバーでも。地元・鎌倉の出身で、昔ながらの肉屋やパン屋などが今も愛され残る大町で、彼の理想とするこの店をつくりあげた。内装は、ほぼ自らによる手づくり。料理にも空間にも、つくり手の姿や温もりが伝わって来るのがオイチイチなのだ。
夜は日本酒からカクテルまで、酒の種類は実に豊富。また逗子の地ビール「ヨロッコビール」がタップで呑めるのもいい。そして、ジャンルに捉われず、季節と新鮮な食材を大切に手作りされた酒の肴も見逃せない。例えば、肉の旨みが凝縮された自家製ビーフジャーキーは、2年以上試行錯誤して完成させた一品。また、ナッツのアクセントとブロッコリーの茎を使ったキャロットラペなど、食材の特質がクリエイティブに生かされたさまざまな料理が揃う。もちろん、それらは、旅先からのアイディアが見事に生かされたものが多い。隠し味にまで、モロッコで出会った数年物の塩レモンを再現したものを使うなどのこだわり様。
「お店を休むことも多いけど、またみんなが集まってくれる。だからこそ、その分旅で得た色々な経験や感覚を生かして、みんなをもっと楽しませたい」。そんな瀬木さん夫婦に会いたくて客たちが集まり、自然と新たなコミュニティーが生まれていく。そんな場所だ。
>>瀬木 暁さん&いくよさんの旅の様子をご紹介した記事はこちら:
「食で繋がる湘南と世界 "オイチイチの食の旅"」
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「鎌倉に引っ越してきて10年以上経ちますが、ここに通うようになってようやく鎌倉のコミュニティに近づけたように感じました。自分にとって無くてはならない大事なお店です」夏目 彰さん
「『CINEMA CARAVAN』でもよく旅をする仲間がオーナー。遊びも仕事も本気。とにかくオーナー夫婦のふたりは人柄が最高」志津野 雷さん