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GUIDE SPOT fu-fu shisen 藤沢・鵠沼 | 中国四川料理店

Photos: Nobuo Yano  Text: Akiko Kajikawa

数多くある中華・四川料理店の中でもちょっとユニークな存在の「fu-fu shisen」。というのも、ここででは肉を一切使わず、魚介と野菜のみを使ったメニューがもてなされるのだ。ベースは昆布出汁、手打ちの無かん水麺を使った「汁なし担々麺」には、挽肉は使わず鯖のコンフィをトッピング。そして杏仁豆腐にも動物由来のゼラチンではなく、海藻から作られるアガーを使うなどの凝りようだ。

店主でシェフの廣木臣尚さんは、四川料理の名店「芝欄(チーラン)」の名シェフたちの鍋を振る姿に憧れてこの店に入り、神楽坂店の料理長にまで登りつめた人。根っからの四川料理好きだ。そんな廣木さんが、オリジナリティあふれる四川料理店を開きたいと考えた時、やはり飲食業界にいた奥様のアイディアもあって、肉を使わない店を開くことに決めたのだ。

看板メニューは写真の「イワシの四川スパイス炭火焼」。オリジナルの唐辛子、山椒、八角などを調合したスパイス「十三香粉」と、山椒に似た香りと柑橘類のさっぱりした香りのバイマックル(こぶみかんの葉)を脂ののったイワシに纏わせ一晩置き、香りをうつして炭火焼したものだ。実はこのメニュー、スペイン料理店で食べたイワシの炭焼きにインスパイアされたもの。このように廣木さんは、四川料理に様々なエッセンスを加えて新たなおいしさを創り出している。ほかにも、よだれ鶏のアレンジ版のような、炙った刺身などに麻辣ソースをかけた冷菜「麻辣魚(マーラーユイ)」や、「ピリ辛大根もち」なども人気だ。

無垢材を多用したナチュラルな店内は洒落た雰囲気。紹興酒もシェリーグラスで提供され、ワインも揃っている。ポーションも多すぎず、カップルで訪れても様々な料理をオーダーできる。場所は少し分かりづらいが、藤沢駅から歩いてすぐ。有名居酒屋と同じビル、というとピンとくる人もいるだろう。この印象的なイラストが浮かび上がる看板が目印だ。

DATA

fu-fu shisen

フーフシセン
神奈川県藤沢市鵠沼橘 1-1-15 富洋ビル 1F
TEL. 0466-52-8080
OPEN. 17:00〜23:00/L.O. 22:30(火〜日)
CLOSE. 月

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