134号線を葉山に向けて南下する。右前方に長者ヶ崎が見えてきたら、それが「c:hord hayama antiques & book cafè」への道しるべだ。そこから左手、「音羽の森」への道脇から伸びる狭い坂道が、この隠れ家的な場所に導いてくれる。

別荘であったという古い一軒家は、ひっそりと孤立した佇いでありながら、足を一歩踏み入れるとその開かれた世界に驚かされる。大きな窓とテラスから広がるのは海の景色と木々の揺らめき。そして、世界中から集めたアンティーク家具や道具類、ラグや書籍などからなる空間は、時間も国籍もボーダレスだ。

もともと東京・赤坂を拠点にするアンティークショップ「c:hord（コード）」が、ハウススタジオ兼倉庫としてオープンさせたというこの場所。欧米のライフスタイルを熟知したインテリアの達人たちに愛されてきた「コード」の世界観が息づいた空間になっている。2階にはブックカフェがあり、ここで利用される家具や小物も希望のものがあれば購入することができるという。食事をしながら掘り出し物を見つけたり、ワインやコーヒーを飲みながらゆったり読書をするのもいい。友人宅へ訪れるような感覚でふらりと足を運びたい。