米・カルフォルニア州ベンチュラにて1973年に誕生した「パタゴニア」は、アウトドア好きにはおなじみのアウトドアブランドだ。きっとパタゴニアに魅了されている誰もが、その製品の高いクオリティやセンスはもちろん、先進的な環境保全活動や持続可能なライフスタイルへの取り組みにも、深く感銘を受けているに違いない。再生ペットボトルからシンチラ（フリース）を誕生させ、アメリカで初めてカタログに再生紙を採用し、世界初で綿衣類のすべてを100%オーガニックコットンにしたのもパタゴニアだ。

1994年、日本における第２店舗目としてオープンした鎌倉店。たっぷりと陽光が降り注ぐ明るい店内には、プロから一般の人々のアウトドアシーンに寄り添う充実したアイテムが揃う。想像力を掻き立てるスタイリングやスタッフの説明は、すぐさま目と鼻の先の海や山へと出かけたくなるような気分にさせる。

また、オープン以来変わらないのが、地域密着型の様々な活動の発信基地としての役割だ。アウトドアや自然にまつわる地元クリエイターによるトークショーや、地元団体との協働によるお客さまのアウトドアフィールドへの案内、小規模でも具体的に活動をする草の根環境グループのサポートなど、モノを売るだけの活動にとどまらない。自然と親しむ喜び、そしてそのための責任の両者をより深く知るための、豊かな時間を提供している。

海と山に囲まれ、歴史と伝統に縁取られた鎌倉という町で、パタゴニアはまるでローカルブランドかのように親しみのある存在だ。創業者でオーナーであるイヴォン・シュイナードの哲学と精神が隅々まで息づいている。