逗子駅前から伸びる庶民的な逗子銀座商店街。ここに佇む「陰陽洞」は、逗子はもちろん、湘南エリアに暮らす自然志向の高い住民たちに愛され続けてきた自然食品の宝庫だ。

今でこそブームのごとくもてはやされるようになった有機、無農薬、オーガニックを冠した食材。だが、「陰陽洞」は創業1977年から、その “本質” を伝える努力をし続けてきた先駆け的な存在だ。そのミッションは壮大。“安全な食品を生み出す「人」と「大地」を未来に残せるようにする” というものだ。

明るくフレドリーなスタッフたちが迎え入れてくれる店には、約3000 種以上もの食材が取りそろう。どの商品も環境に配慮し、真に安心して使える質の高いた選りすぐりだ。良心的な価格であるのも、お客さんたちの日常に根付くように、という思いがある。

食材はどれも化学合成添加物を含まない、が基本。有機・特別栽培の野菜のほか、無漂白・無燻蒸の粉物や穀物もそろう。さらに、合成ホルモン剤や成長促進剤などを一切使用せず、飼料の安全性までを見極めた肉や魚介類、乳製品や卵なども。「本物の自然食材」へのこだわりは、地域の小学校や保育園の給食にも利用されるまでに。

病弱な自分たちの健康管理をしたい、とこの店をオープンさせた鍼灸師の資格ももつ福田さん夫婦。現在は娘の古賀さん夫婦がその想いを継ぎ、店を切り盛りする。

「お客さまとの会話を一番重視しています。知識だけではカバーできない食の知恵を交換する場とし、知る限りの情報も惜しみなく提供しています」

どこにいながらも簡単に情報と商品が入手できるようになった時代だからこそ、「陰陽洞」は創業以来変わらない店の在り方を大切にしている。