海と山、両者の存在をとても近くに感じることができる葉山。穏やかな丘陵地が広がるこの町にある「はやま三ヶ岡山緑地」のハイキングコースは、毎日の散歩がてらに歩く人も多いという、ローカルにも愛されている気軽なハイキングコースだ。

海岸線近くから盛り上がるように曲線を描く緑の山「三ヶ岡山緑地」は、動植物の生息地である森林を保護するために制定された「都市林」として、三浦半島固有の豊かな自然の姿を保っている。そのため、ハイキングコースの道中では、四季折々の木々や草花、野鳥、昆虫に出会うことができる。近所の家族だろうか、小さな子どもたちが山道をたくましく歩き、落葉を拾い、虫を見つけてはしゃいでいる。そんな微笑ましい姿もまたこのハイキングコースの一風景だ。

「はやま三ヶ岡山緑地」のハイキングコースの登り口は３箇所ある。海と山を満喫したいのであれば、比較的ゆるやかな「つつじコース」から山頂を目指し、「真名瀬コース」を下るのがいいだろう。JR逗子駅前や京浜急行逗子・葉山駅前から“山回り”のバスに乗って「旧役場前」で降り、民家の間の細い階段を上がっていく。途中天気の良い日には「横浜ランドマークタワー」が見え、さらに進んだ山頂や展望デッキからは、相模湾の向こうの富士山はもちろん、丹沢山系までも望む。「関東の富士見百景」に選ばれた絶景だ。そこから「真名瀬コース」へ向かって歩けば、眼下には森戸海岸や御用邸の景色が。さらに階段を下り「熊野神社」脇の小道に出れば、真名瀬の海はもう目の前だ。一方、山頂からもう一つ伸びる「あじさいコース」へ進めば、初夏には3000株もの紫陽花を誇る「あじさい公園」へと導いてくれる。

ヨットや夏のビーチだけではない、葉山の豊かな自然の魅力に出会える場所だ。