CITY GUIDE THE PADDLERが紹介するとっておきのスポット
GUIDE SPOT BRANDIN 茅ヶ崎 | レコードカフェ
“湘南サウンド”の中心地として知られる茅ヶ崎。その住宅街の一角に溶け込むように、60~70年代の海外のロックやポップスを中心としたアナログ LP約1万枚を自由に聴くことができるカフェ「BRANDIN(ブランディン)」がある。その主は、宮治淳一さん。茅ヶ崎で生まれ育ち、コアなファンには“桑田佳祐の幼馴染でサザンオールスターズの名付け親“としても知られる存在だ。
英米のロックにはまり、バンドを組み、レコード会社に勤務、またラジオでDJを担当するなど、音楽に彩られた人生を歩んできた宮治さん。彼が日本でも有数の60~70年代洋楽のレコードコレクターになった訳は?「中学生のお小遣いではレコードは高すぎて、一番欲しかった時に買えなかった反動かな?大学時代に中古のレコードを買うようになって、1982年に音楽CDが発売されると一気にアナログレコードが中古市場に放出されたので、もう大人買い(笑)。仕事でよく出かけたアメリカでは、日本にないものをずいぶん買いました」
マスプロダクトであるレコードは、人に聴いてもらってこそのもの。だから、このカフェを開いたそうだ。壁沿いの棚にびっしりと並んだLPだけでなく、音楽関連の雑誌や、最近手に入れたという年季の入ったジュークボックスがレトロな雰囲気を醸し出している。心地よいアナログサウンドに包まれ、奥様のひろみさんが入れてくれるおいしいコーヒーを片手に至高の時を過ごすことができる。また音楽ファンでなくても、プライベートリビングのような居心地のよさに惹かれて、近所の人々も集う。
懐かしむ世代だけでなく、YouTubeなどで偶然出会った若いデジタル世代をも魅了している60~70年代音楽。BRANDINは、テーマを掲げたDJイベントなども行い、多くの世代を巻き込む。ここで触発された若い世代から、新たな湘南サウンドが生まれるかもしれない。
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「茅ヶ崎サウンドの聖地・レコードカフェ。宮治淳一氏の膨大なレコードコレクションに囲まれながら、ひろみさんのカフェオレに心も身体もホッカホカ。時には話を、音楽を、読書を気の赴くままに楽しめる。私にとってはここが人生の学校」釈 順正さん