芳ばしいコーヒーの香り、LPから流れるゆるやかなジャスの音色に包まれる「BLEU COFFEE STAND & BAR」。50年を経た古民家を改装した店内は、広すぎず狭すぎず、時代の温もりとクールなモダンさが共存する絶妙な居心地の空間だ。イタリアのバールを思わせるスタンドスタイルならでわの気軽さも手伝って、小田原のローカルたちがふらりとやってきては、それぞれの自分時間を、または店主との気取らない会話を楽しんで帰ってゆく。

常連たちのお目当ては、もちろん香り高いスペシャリティコーヒー。そしてコーヒーにぴったりの自家製ビーガンスイーツだ。キャロットケーキ、スイートポテト、ヘーゼルナッツバナナマフィン —— 季節ごとのオーガニック素材だけを使用し、小麦粉や白砂糖不使用で作られるスイーツは、素材の自然な風味がぎっしり。スイーツ好きでなくても、癖になるおいしさだ。また、バーとしての顔にも店主のこだわりがにじむ。自然派ワインやコーヒーを使用した上質なテキーラなどが揃うドリンクに、じっくりとスモークした卵やローストビーフ。手間をかけて作った自家製燻製メニューもたまらない。

ファッションの世界で活躍してきた店主、琴寄訓章（ことより のりあき）さんがここに構想したのは、ニューヨークで出会った「ラルフローレン」経営のスタンドコーヒーの空気感。ルノーのバンを利用した店頭で、様々な人種や肩書き、生き方の異なる人たちを心地よく一つに繋ぐ空気と空間だ。

「地元に根付き、誰もがここで交流できる場所という存在になってゆきたい。グッドミュージック、グッドコーヒー、グッドドリンク、グッドムードに包まれる “街のサロン”に」