JR湯河原駅から歩いて10分足らず、大通りから少し入ったところにある「GOOD DAY CAFE」は、開店するとすぐに、ランチ目当ての客で満席になる。

店主・藤本明生さんの野菜への愛情は半端ない。近隣の農家から有機栽培などのこだわりの野菜を仕入れているだけでなく、自ら山に畑を借りて自然栽培で野菜を育てている。それらの野菜、例えばビーツや小松菜などをパスタに練りこんだり、デザートにも使っている。「この前は畑で作った人参でキャロットケーキを焼いたんです」と嬉そうに話してくれる。地元の無農薬みかんの皮を干して粉末にした、自家製の陳皮（健康に良い生薬）まで作っているほどの凝りようだ。

人気のランチは日替わりで、野菜のデリ＋メイン＋玄米ご飯を合わせた「プレートランチ」と、サラダと一緒にワンプレートで供される「手打ちパスタ」。前者は “野菜のデリ” と一口に言っても、材料も調理法も違う７～８種類の惣菜が所狭しとプレートに盛られたランチだ。それを目と舌で味わえば、どんなに丁寧な仕事がなされているかすぐにわかる。また、パスタに添えられたサラダも、主役に負けないほどのクオリティ。だからと言って、決してベジタリアンの店ではない。あくまでもおいしい野菜を中心に、おいしい料理を食べてもらいたい、というスタンスだ。パスタには自家製ベーコンを使ったり、プレートランチのメインには、野菜デリと相性が良く味わい深い肉や魚料理が考えらえている。

茅ヶ崎から移住して開いたこの店には、地元のファンだけでなく、近くの吉浜海岸帰りのサーファーや、温泉目当ての観光客など、様々な人が集まる。夜には一品料理や夜パスタをつまみに、酒を楽しむ客も。

「もっと野菜にこだわって、もっとおいしい料理を提供したい」。藤本さんの野菜愛はとどまるところを知らない。