JR平塚駅と海を結ぶ “扇の松海岸通り” のちょうど真ん中あたりに位置する「Peaceman Gallery」。まるで街と海を、人と自然を結ぶようなロケーションにある。ここはサーフィンフォトグラファーとして世界中を巡り、水中から著名サーファーたちや雄大な自然の表情を写真に収めてきたU-SKEさんのアトリエ兼ギャラリーだ。自然が魅せる一瞬の姿に共鳴し捉えた作品の数々は、とにかく “雄大でやさしい” 。そこにはU-SKEさんの人間性もが見えてくる。

店内には、彼が多くの時を過ごしてきたハワイでの作品と地元・平塚の海の写真がメインに飾られている。U-SKEさんは2011年の東日本大震災を機に、旅中心の生活から生まれ育った平塚へ拠点を移した。旅先で知った日本の大災害は、自身を日本人と強く認識するきっかけとなり、以来、故郷の海の写真を通じ、この土地の素晴らしさや自身の想いを発信し続けている。

「ギャラリーではもちろん作品の展示や販売もしていますが、それは写真やアートを飾るという、豊かなライフスタイルを送る提案の一つです。それだけではなく、コーヒーを飲みながらゆっくり海の写真を見たり話をしたり。小さな空間なので、ここにたまたま来た人たち同士の出会いや繋がりも生まれたり。目指すのは、海や自然の魅力を感じられる空間であり、訪れるみんなが豊かな気持ちになれる場所です」

そんなU-SKEさんのスタンスは、作品の販売方法にも息づく。展示作品をのそのままの購入もできるが、購入者の要望に合わせてプリント素材やフレームをカスタムメイドし、その人だけの「オンリーワン」を納品するのがPeaceman Gallery流。U-SKEさんが出会う一瞬一瞬の自然の姿への感謝と同じように、ここで出会うひとりひとりへの感謝の気持ちが現れている。まさに彼が自らを呼ぶ「写心家」の姿がそこにある。

今日もギャラリーには、世代も趣味も様々な人たちがふらりと訪ねてくる。ハッピーな自分と出会うための扉——そんな存在だ。