創業昭和22年（1947年）の古久家は、“藤沢のソウルフード” と地元で親しまれている「街中華」の老舗だ。３代目となった現在、藤沢を中心に11店舗を構えるまでに成長したが、ここ、藤沢駅南口の「ダイヤモンドビル」地下の藤沢店は、まさにその街中華誕生のストーリを色濃く残す店。ビルのノスタルジックな昭和ムードとともに、価格しかり店構え、味と、飾らない懐かしさが魅力だ。

開店11時には、すでにかなりの客たちで賑わう店先と店内。それが藤沢店の定番シーンだ。お目当ては、たっぷりの玉子を練りこんだ太ストレート麺によるメニュー。麺へのこだわりは創業当時から変わらず、自社製麺工場から毎日出荷される自家製麺を使用。合成保存料不使用、新鮮でもちもちとした食感が特徴だ。

とろりとしたあんかけが食欲をそそるやきそば、 “コク”のあるスープが癖になる湯麺（タンメン）やサンマーメン。どれも古久家の人気メニューだ。店頭では、家庭で調理できる生麺に加え、餃子や春巻きなどが販売され、地元主婦やシングルの男性たちにも好評だ。

時代をともに歩んできた地元の客たちの日常に寄り添い、また誰もが気軽に立ち寄れるようにと、ブレない昔ながらのホッとする味をギリギリの価格で提供する古久家。世代を超え、残り続けてほしい湘南の街中華の店だ。