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GUIDE SPOT 高麗山(こまやま) 平塚・大磯 | 山
歌川広重による浮世絵『東海道五十三次』にもその姿を度々見せる高麗山は、平塚市と大磯町の境に鎮座するこんもりと緑あふれる山。その名は、かつて7世紀に滅亡した高句麗からの渡来人たちに由来するとも言われている。 山麓には高来神社(たかくじんじゃ)が佇み、江戸時代末期まで山全体がその霊域として保護され、樹木伐採が禁止されていた。そのため、今に広葉樹の原生林が残る貴重な山でも。森林文化協会と朝日新聞社が指定する「21世紀に残したい日本の自然100選」にも選ばれ、春には桜の名所としても知られている。 標高168mと低めで小ぶりな山ではあるが、山頂の展望台からの絶景はローカルたちのご自慢だ。また、ふと思いついて気軽に出かけられるハイキングコースも充実。道のりは、高来神社の裏手から伸びる「男坂」と「女坂」から巡る高麗山頂—湘南平—大磯、またその反対ルートがおすすめだ。 ワイルドな植生がつくり上げる景観の中で、珍しい野草や蝶、野鳥と出会えることも。また、道中には、城跡や浅間神社、楊谷寺横穴群といった見どころも多い。特に、湘南平(高麗公園内)の展望台から眺めは見逃せない。東の三浦半島や江ノ島、西の伊豆半島を眺める相模湾の大海原に加え、丹沢や箱根連山、富士山に縁取られた相模一国の360度の大パノラマを堪能することができる。 海と山、青空と大地。湘南の自然の繋がりと循環を体全身で感じられるスポットだ。
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「高麗山によくハイキングに出かけます。天気の良い日に見る展望台からの富士山や相模湾の景色なんて、シビれちゃうよね。海に始まり山、庭と、興味深い自然の繋りは、波乗りが僕に教えてくれたもの」
田中俊人さん