CITY GUIDE THE PADDLERが紹介するとっておきのスポット
GUIDE SPOT 半文居 秦野 | 西洋料理
創業昭和51年。「半文居(はんぶんこ)」は、都内で料理の腕を振るってきた店主、長谷川 仁さんと奥様の恵美子さんが、湘南への移住を機にオープンした小さな隠れ家的な店だ。16席からなる店内は、宮崎駿の古いヨーロッパを舞台にしたアニメのワンシーンにあるような、どこかノスタルジックで穏やかなムード。味わいを増した無垢材の家具や柱、温もりのある漆喰の壁には、古い振り子時計がゆっくりと時を刻んでいる。 そんな温もり感は、そのまま料理にもおよぶ。調味料から食材に至るまで、無添加のものを選び、体にやさしい丁寧な手作りの料理だ。ジャガイモの甘さと肉の柔らかさに驚かされるタンシチュー、西洋野菜がミルフィーユ仕立てになった真鯛のポワレ、タラバ蟹入りクレープ包みコロッケなど、素材の滋味と丹精な手仕事がダイレクトに伝わってくる。それら定番メインメニューによく合う、フランスワインも見逃せない。 料理を通じて文化を分かち合える場所、という思いが託された「半文居」。42年間、メニューはずっと変わらないという。いかに味に自信を持ち、多くに愛されてきたかがそこからもわかる。仲のいい夫妻二人三脚の、穏やかで丁寧な接客も手伝って、毎日でも通いたくなる居心地がこの店の魅力だ。
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「祖母の勧めで行き始め、以来お世話になっています。アットホームな佇まいの中、繊細で納得のいく料理を味いながら、自分の成長、色々なことをゆっくりと考えられる場所です」山口太郎さん