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GUIDE SPOT うをげん 小田原 | 酒場

Photo&Text: Miku Kamiura  

小田原駅東口から、徒歩5分。個性派の店が点在する「うらちょう商店街」の一角に、「うをげん」はひっそりと佇む。ここは、うまい魚を食べに地元の人が夜な夜な集う酒場だ。引き戸を開けると、店主の須藤幸春さんと真弓さんご夫婦が、人好きのする笑顔で迎えてくれる。

創業は、幕末の安政年間(1855年〜1860)まで遡る。鮮魚商を前進とし、6代目の幸春さんも、小田原魚市場の仲卸しの資格を受け継ぐ。高校生の頃から先代の父に連れられ、市場に通っていたという市内でも随一の鮮魚の目利きだ。73歳にて現役、早朝4時には市場へ行く。関東有数の漁場である相模湾、伊東方面などで獲れた魚をその目で見極め、仕入れるのだ。

手書きのお品書きには、旬の刺身に始まり、身がふかふかの大きなむつフライ、酒呑みにはたまらない3年ものの鰹の酒盗やあん肝などが並ぶ。どれにしようか迷っていると、常連客が「右のメニューから頼んでいくんだ。いきなり酒盗なんて頼んだら店を追い出されちゃうかもよ」なんて話しかけてくる。また、料理の合間の絶妙なタイミングで、「これも食べてみて」と、真弓さんが手作りの惣菜や豚汁などを勧めてくれる。これがまたほっとするお袋の味。カウンター8席、4人程度の座敷だけという小さな店内は、垣根なしの談笑が繰り広げられ、まるで店全体が家庭の食卓のよう。

店の掟は、滞在は2時間、酒は3本まで。たくさん食べて、たくさん話し、ほろ酔いのいい気分で店をあとにする。「近いうちにまた来よう」そんな風に思わせてくれる店だ。

DATA

うをげん

神奈川県小田原市栄町3-4-19
Tel.0465-23-4000
OPEN. 17:00〜21:00(LO 20:30)
CLOSE. 日・祝日・小田原魚市場の休市日

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