“ケンタッキー州のバーボン貯蔵庫で80年利用された構造材” 、 “20年代のデトロイトの自動車工場を支えた建材” −−−「ギャラップ」で販売される古材には、その背景を彷彿させるそんな説明が添えられている。アメリカに点在する取り壊し寸前の建物を、現場で見極め、自ら解体し、そこからの古材を「今」に再利用するために、気の遠くなるような作業を施し生み出されるのがMade in Gallup。古材をはじめ、ここで扱われるすべてに、強いこだわりと思いがにじんでいるのだ。

2003年に誕生したこの厚木店は、800㎡もの巨大な倉庫。取り入れやすいインテリアパーツや塗料から、本格的なリフォームや家具づくりに応える古材、建材まで、欧米からの選りすぐりがズラリとそろう。希少なアンティーク家具や道具類も見逃せない。東京・中目黒店の魅力とはまた違うスケール感がいい。

顧客の多くは、個性を大切にした家・店舗づくりのための素材探しや、古材によるオーダー家具・建材製作の依頼に訪れるデザイナーと施主たち。彼らは「ギャラップ」が大切にする、時の経過のみが実現しうる唯一無二の古材の価値と、古き良きものに手を加え永く愛し継承してゆくライフスタイルの提案に魅了されている。

母体は、アメカジの先駆者的存在のアパレルブランド「バックドロップ」や「プロペラ」を抱えたリムジンインタナショナル。その欧米での買い付けや、店・モノづくりで培われた知識とネットワークから生まれた「ギャラップ」には、他のDIYショップや建材店とは一線を画した鋭いセンスと高い志が息づいている。