CITY GUIDE THE PADDLERが紹介するとっておきのスポット
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GUIDE SPOT 桜花園 葉山 | 古材・古道具専門店
知る人ぞ知る、葉山町・上山口の「桜花園(おうかえん)」。大工の作業場だった場所を改造した空間に、所狭しと並ぶ膨大な量の古材やアンティーク建具などを見たとたん、どんな発見や出会いがあるかワクワクしてくる。
湘南を中心に解体された民家や農家から集めた柱や梁、畳下板といった古材や、扉やガラス戸、欄間などの建具の多くは、大正から昭和初期のもの。新築やリノベーションの材料を求め、遠方からも多くの人が訪れる。というのも、解体作業から良いコンディションにもっていくまでのプロセスに非常に手間がかかること、また解体できる建物自体が少なくなっていることもあり、これだけのものがそろう店がなかなか見つからないからだ。隙間なく置かれた建具のそれぞれに、どこの家から取り出されかというラベルが貼ってある。扉一枚といえど、その歴史に思いを馳せてしまう。
ここでは「床の間地板」を使ってつくるテーブルも人気だ。素材やサイズ、コンディションがさまざまな地板は、桜花園が信頼する職人に頼んで、蝶形の小さな木片を埋め込んで割れ止めなどを行う“千切り”や、傷を生かした風情ある仕上げを施し、リフレッシュさせてある。好きな板を選び、数種そろう桜花園特注の鉄製脚部をセットすれば味のあるテーブルが完成だ。
1階にはアンティークの食器や小物、ランプシェードも並び、2階にはここで手に入る素材で再現させた部屋もあるので実際の生活空間をイメージすることができる。「多くの人に生活の中で普通に古材や古道具を使ってほしい。そして、引き継がれたものだからこそ大事に使ってほしい」と店主の熊田辰美さんは語る。最近ではそのようなライフスタイルが見直され始め、若い人も多く訪れるようになっているという。古材や建具は、大きさ、質感、風合いは一点一点違うので、来店して直接見るべし!
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「店内を見て回るだけでもワクワクします。自分で自宅を改装しているので、材料がなくて困った時にフラッと行ってピッタリのものに出会った時の嬉しさったら」粟津義博さん