PADDLER’S EYE 湘南の今を独自取材した特集と連載
FOOD BATON ザ・マーケット・エスイーワン 新 安夫さんのジェラート
海や山、自然に恵まれた湘南には、季節折々の旬な 食材が集まる。
その食の豊かさにひかれて、この地に暮らす料理人は多い。
食のバトンがつなぐ、湘南のテーブルストーリーに耳を傾けてみよう。
今回、「アウスリーベ」の曽根 愛さんから、フードバトンを引き継ぐのは、
「The Market SE-1(ザ・マーケット・エスイーワン)」の新 安夫さんだ。
「#009アウスリーベ 曽根 愛さんのドイツ菓子」はこちらから
Photos : Pero Text : Paddler
笑顔が生まれるジェラート
アイスクリームは、なんて幸せな食べ物なんだろう。子どもや大人も、女性も男性も、口に入れるとにっこり笑みを浮かべる。「The Market SE-1(ザ・マーケット・エスイーワン)」を訪れると、まさにそれを実感する。ショーケースに並んだ色とりどりのジェラートを、嬉々(きき)としながら食い入るように見つめる人たち。カップに盛り付けられたジェラートを手にすると、目を輝かせる。そして、「おいしい! 」という声。何ともハッピーな空間だ。
「The Market SE-1」は、オーナーの新 安夫(あたらし やすお)さんが、8年ほど前に、江ノ電の腰越駅にほど近いこの地にオープン。以来、人気を呼んでいるジェラテリアだ。メニューは、バニラやチョコのほかに、旬の果実や野菜をふんだんに使ったジェラートが10種類ほど。年間で100種類以上のメニューがあるというから驚きだ。着色料、保存料、香料、乳化剤などは一切使用しない。素材の旨味だけが、ギュッと凝縮されている。定番の「山のみるく」をいただいた。牛乳本来の濃厚な風味が口の中にジワっと溶け出す。だが、後味はさっぱりとした優しさが残る。
「山地酪農という山に放し飼いをしている牛のオーガニックのミルクです。いくつかブラインドでテイスティングテストをして、一番自分の理想に合っていたんです」
実は新さんは、このジェラテリアをオープンするまでジェラート作りは未経験。驚くことに、すべて独学でスタートした。だが、その経歴を聞けば納得がいく。↙︎
アイスクリームは、なんて幸せな食べ物なんだろう。子どもや大人も、女性も男性も、口に入れるとにっこり笑みを浮かべる。「The Market SE-1(ザ・マーケット・エスイーワン)」を訪れると、まさにそれを実感する。ショーケースに並んだ色とりどりのジェラートを、嬉々(きき)としながら食い入るように見つめる人たち。カップに盛り付けられたジェラートを手にすると、目を輝かせる。そして、「おいしい! 」という声。何ともハッピーな空間だ。
「The Market SE-1」は、オーナーの新 安夫(あたらし やすお)さんが、8年ほど前に、江ノ電の腰越駅にほど近いこの地にオープン。以来、人気を呼んでいるジェラテリアだ。メニューは、バニラやチョコのほかに、旬の果実や野菜をふんだんに使ったジェラートが10種類ほど。年間で100種類以上のメニューがあるというから驚きだ。着色料、保存料、香料、乳化剤などは一切使用しない。素材の旨味だけが、ギュッと凝縮されている。定番の「山のみるく」をいただいた。牛乳本来の濃厚な風味が口の中にジワっと溶け出す。だが、後味はさっぱりとした優しさが残る。
「山地酪農という山に放し飼いをしている牛のオーガニックのミルクです。いくつかブラインドでテイスティングテストをして、一番自分の理想に合っていたんです」
実は新さんは、このジェラテリアをオープンするまでジェラート作りは未経験。驚くことに、すべて独学でスタートした。だが、その経歴を聞けば納得がいく。↙︎
F1の世界からジェラテリアを
店の壁には1枚の白黒の写真が。新さんがふたりのレーシングドライバーの間で微笑んでいる。新さんは、長年世界最高峰の自動車レース、 F1(フォーミュラーワン)の料理人として活躍してきた。「ホンダ」を始め「フェラーリ」などのレーシングチームの専属のシェフを歴任してきた。
20年前、東京で和食の料理人として経験を積んでいた新さんはイギリスへ。ロンドンの一流レストランを経て、フリーランスの料理人として活動。縁があってホンダ・レーシングチームの専属シェフとなり、ヨーロッパはもとより世界を巡ってきた。
「ホテルなどの厨房と違って、僕が料理を作ってドライバーやゲストとかに直接料理を出すので、レスポンスがすぐ返ってくるんです。それが楽しかったですね」
2008年に帰国して、鎌倉・腰越を住まいに。以来、湘南をベースに、チームに帯同して世界を巡る日々を送っていた。F1で活躍するシェフを表彰する「シェフ・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、順風満帆な日々だったが、ある世界的な事件を境に人生が一変した。
「リーマンショックの影響で、「ホンダ」が F1 のレース活動を2年間休止することになったんです。せっかくだから、その間は、何かほかのことをしてみようと」
その時、近所を散歩していて出合ったのが、新築中のこの店だった。ただし、スペースは4坪半。レストランを営業するには狭すぎる。そこで思いついたのがジェラテリアだった。
「僕はアイス好きで、色々な国でアイスを食べたりしていたので…。作ったことはなかったんですけど。はい。まあ、何とかなるだろうと」
まさしくゼロからの出発だったが、料理人としてのセンスと経験、そして持ち前のチャレンジング精神で、わずか3ヶ月で新しいスタートを切った。
「バルみたいな店を僕は心掛けているんです。その時においしいものをお客さんに紹介して、話しながら仕事する。楽しんでますよ」
バルといえば、「The Market SE-1」ではピザも外せない。本場で習得したナポリピザを店のバックヤードの石窯で焼き上げる。ジェラートを楽しんでいる隣で、ワイン片手にピザをつまんでいるという光景は、この店ならではだ。
「おいしいものを食べた時のニコッとした笑顔は万国共通」と語る新さん。ここ腰越から、今日もたくさんの笑顔が生まれていく。
>>>The Market SE-1はCity Guideでもご紹介中。こちらから
店の壁には1枚の白黒の写真が。新さんがふたりのレーシングドライバーの間で微笑んでいる。新さんは、長年世界最高峰の自動車レース、 F1(フォーミュラーワン)の料理人として活躍してきた。「ホンダ」を始め「フェラーリ」などのレーシングチームの専属のシェフを歴任してきた。
20年前、東京で和食の料理人として経験を積んでいた新さんはイギリスへ。ロンドンの一流レストランを経て、フリーランスの料理人として活動。縁があってホンダ・レーシングチームの専属シェフとなり、ヨーロッパはもとより世界を巡ってきた。
「ホテルなどの厨房と違って、僕が料理を作ってドライバーやゲストとかに直接料理を出すので、レスポンスがすぐ返ってくるんです。それが楽しかったですね」
2008年に帰国して、鎌倉・腰越を住まいに。以来、湘南をベースに、チームに帯同して世界を巡る日々を送っていた。F1で活躍するシェフを表彰する「シェフ・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、順風満帆な日々だったが、ある世界的な事件を境に人生が一変した。
「リーマンショックの影響で、「ホンダ」が F1 のレース活動を2年間休止することになったんです。せっかくだから、その間は、何かほかのことをしてみようと」
その時、近所を散歩していて出合ったのが、新築中のこの店だった。ただし、スペースは4坪半。レストランを営業するには狭すぎる。そこで思いついたのがジェラテリアだった。
「僕はアイス好きで、色々な国でアイスを食べたりしていたので…。作ったことはなかったんですけど。はい。まあ、何とかなるだろうと」
まさしくゼロからの出発だったが、料理人としてのセンスと経験、そして持ち前のチャレンジング精神で、わずか3ヶ月で新しいスタートを切った。
「バルみたいな店を僕は心掛けているんです。その時においしいものをお客さんに紹介して、話しながら仕事する。楽しんでますよ」
バルといえば、「The Market SE-1」ではピザも外せない。本場で習得したナポリピザを店のバックヤードの石窯で焼き上げる。ジェラートを楽しんでいる隣で、ワイン片手にピザをつまんでいるという光景は、この店ならではだ。
「おいしいものを食べた時のニコッとした笑顔は万国共通」と語る新さん。ここ腰越から、今日もたくさんの笑顔が生まれていく。
>>>The Market SE-1はCity Guideでもご紹介中。こちらから
WHERE THE NEXT?
新さんオススメの一軒は?
中華そば トランポリン(鎌倉)
「食材のことを考えて、しっかりと丁寧に作ってるラーメン屋さんて少なくなっていると思います。そのような中で、とても貴重なお店ですね」(新)
新さんオススメの一軒は?
中華そば トランポリン(鎌倉)
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ザ・マーケット・エスイーワン