CITY GUIDE THE PADDLERが紹介するとっておきのスポット

GUIDE SPOT パパイヤ 鎌倉 | 海の家

Photo: Nobuo Yano  Text: Paddler

由比ガ浜海岸を彩る「海の家」のにぎわいは、鎌倉の夏の風物詩。近年大手スポンサーの進出などで欧米スタイルの海の家が増える中、「パパイヤ」は昔ながらの佇まいを今に大切に保ちつづけている。

浜の最西端、江ノ電・由比ヶ浜駅から一番近いここを切り盛りするのは、2代目オーナーの本間淳也さん。先代から受け継いだ畳敷きのお座敷スタイルは、もう30年以上になる。とはいえ、ロッカーの配色や海の景色を直線が美しく切り取る座敷やテラスのレイアウトは、どこかセンスを感じさせるもの。それもそのはず、淳也さんは元インダストリアルデザイナーだったそう。

もてなす料理においても、ラーメンにカレーといった昔馴染みが定番だ。だが、そのこだわりにも一目置きたい。ラーメン一つを取っても、鶏ガラから仕込むほど。しらす丼に使うしらすは、地元で水揚げされたものを毎朝仕入れる徹底ぶり。そして料理を担当するのは、地元の食通のご婦人たちときた。さらに、地元の飲食店と組んだ焼肉やバーベキューなどの特別メニューも見逃せない。今年からは、在由比ヶ浜の老舗「鈴木屋酒店」とタッグを組み、“自然派ワイン”に定評がある鎌倉カルチャーに寄り添う選りすぐりの白ワインとスパークリングの提供をスタートした。

「誰もが安心して寛げる場所」「地元の仲間たちや店と協力しあって盛り上げる夏」をモットーにするオーナーの気持ちが隅々まで息づく「パパイヤ」。集う仲間たちがつくる家庭的なムードもまた、ここのノスタルジックな居心地よさになっている。毎年戻りたくなる場所がここにある。

DATA

パパイヤ

神奈川県鎌倉市由比ガ浜海岸
Tel. 0467-24-9338
Open. 8:00〜19:00(7/1〜8/31、期間中無休)

RECOMMENDED BY

「夏になると訪れる海の家です。オーナーのジュンさんは、笑顔がとても素敵な優しい人。兄が学生時代にバイトをしていたこともあり、夏に通うように。ここにある、なんとも懐かしい雰囲気がたまらない」

島田雅光さん