「カラバシ」には、いつも懐かしい夏時間が流れている。どこか自由で開放的、そして国籍も時代もボーダレスで、飾らないホリデーの気分だ。ここは1981年、葉山・森戸海岸にオープンした海の家「オアシス」のいわゆる陸バージョンの店。オーナーの１人である、朝山正和さんが、2013年に実現させた通年営業の “陸の家” だ。

「地域の材を使って自分たちの手で造り上げる場所」をコンセプトに、葉山の竹林から竹を切り出し毎年手づくりされる「オアシス」同様、「カラバシ」もまた、この地に残された昭和の古民家の個性を生かしたセルフリノベーションで誕生した。共通するのは、素朴な中のエネルギーとクリエイティブなセンス。そして「自然」「音楽」「旅」というコンセプトだ。

「カラバシ」でもてなされるのは、Km０の食材を使った自然志向のメニュー。曜日毎に日本食やイタリアン、ジャマイカ料理といったテーマを持たせ、地元野菜や葉山港で水揚げされた魚などがたっぷりと使った手づくり料理は、リピーターを絶やさない。第２日曜日のカレープレートもお見逃しなく。マヒマヒやサメを具にしたカレーである日も?!

　 ガラスの引き戸から漏れる賑やかな音楽や談笑が、県道207号線を行き交う人たちを惹きつける。旅をテーマにしたイベントやライブも健在だ。ふらりと立ち寄り、カウンター席でカフェやお酒を楽しみながら、ノスタルジックでいて新鮮な「カラバシ」時間を満喫したい。